はじめての彼氏と彼女

宮治

巨乳と標準語がコンプレックスの彼女と、クラスが替わってからその子のことが好きだと気づいた治の青春話。

※関西弁はエセです

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目次

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十七歳の不純

本編「はじめての彼氏と彼女」の直前の話。治目線。

「今日、俺んちで勉強せえへん?」

…なんて。割と下心が見え見えの誘いに、つき合って三ヶ月になる彼女は「うん」とすぐに頷いた。

(試されてるんやろか。それか、実は男として見られてへんとか)

ノートと問題集を開いても悶々としてしまい、活字が目の前を上滑りする。彼氏の部屋で二人きり。親もツムも不在だ。それなのに彼女があまりにも平然としていて(もう少し警戒するところちゃうの)と素直に喜べずにいた。

「治、全然集中してないでしょ」
「…そんなことあらへん。この設問がやたらややこしいんや」
「問題集、逆さまだよ」

ぎくりとした。慌てて正しい向きに直すも不思議そうに見つめられるのを感じる。

(俺ばっか舞い上がっててアホみたいやわ)

珍しく心音がばくばくと耳元で鳴っている。でもこの状況で緊張しない方がどうかしていると思う。

相手の体や呼吸の熱を、肌で感じる。座卓の天板の下では膝頭同士がぶつかりそうだ。さらに床に座っているので普段よりもずっと目線が近い。

話しかけるのが精一杯だった頃からは想像もできない距離だ。少し手を伸ばせば全部触れる。正真正銘、俺のもんになったって今すぐ確かめたい。そんな不純な動機で俺が触るのを、許されたい。

「…なあ」
「うん?」

目を瞬かせ、輝く瞳が掬い上げるようにこちらを見た。

意外にも怯まなかったのは、その瞳に俺と同等の緊張と、期待するような光があることに気がついたからだ。よくよく見るとノートは三分の一も埋まっておらず、ペンを握る細い指先は微かに震え、頬は薄く赤らんでいた。

「勉強より大事なこと、せえへん?」

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