熱中の驟雨【R18】
義勇さんの本音がだだ漏れになってしまう、ご都合血鬼術ネタ。無音にこだわった「寒中の〜」と対です。
何とも厄介な血鬼術にかかってしまった。
「腹が空いた。飯が食べたい」
いつもより流暢に口が動くが「はいどうぞ」と彼女は気にする様子もなく膳を差し出してくる。食べている間「美味い、美味い」と煉獄のように勝手に口が動き疲れてきたが、にこにこと嬉しそうなので、まあいいかと差し出された湯呑みを受け取った。
細い指に触れるとじわりとくるものがあった。このまま腕を掴んで引き寄せたくなる。
「抱きたい」
二人できょとんと見つめ合った。すぐに手で口を塞ぐが言葉は止まらない。
「今すぐ抱きたい」「一回では足りない」「二回でもどうか」「抱き潰したい」「でもそれでは彼女の体が」
雨粒のようにとめどなく降り注ぐ言葉に次第に彼女の顔が赤く染まっていく。気まずそうに座り直し「…ええと」と視線をそらされた。
「実は今日は…いつもより寝坊してしまったうえに、お昼寝も沢山してしまったんです。なので…」
蚊のなくような声で続いた言葉に目を見張る。
「………がんばってお付き合い…できるかと思います」
今度は迷いなく引き寄せた。嬉しさと興奮のあまり卑猥な言葉を垂れ流しそうな自分の口を彼女の唇で塞ぐ。柔らかく熱い舌が頭の芯を痺れさせた。
***
浅い呼吸を繰り返す、くったりと力の抜けた白い肢体を見下ろす。剛直を引き抜くと、とろりと糸を引いた。上下する腹を撫でる。
「俺のでいっぱいで嬉しい」
思わず溢れた言葉に口を覆う。ふ、と笑われ何とも言えない気持ちになった。
単純だが有効な血鬼術だと思う。実際に任務では「遅い馬鹿者」「太刀筋が甘い!師範の顔に泥を塗る気か」と同行していた隊士を罵倒し震え上がらせた。その結果、連携が上手く取れないと判断されこの一件からは手を引くこととなる。何を考えているのかわかり辛いと散々言われたが本音を出すのも難しい。
放っておいても漏れ出てしまうため、せめて顔を見られないように後ろから抱き寄せ、素直に事の顛末を話した。
「義勇さんは何事にも一生懸命ですね」
俺を肯定する言葉に「ありがとう」とするりと礼が言えた。
「隊士と同じように怖がらせてしまうのではと不安だったが、帰ってきて良かった」
考えるのと同時に、口から同じ内容が滑り出る。
「全然怖くありませんよ。いつもの優しい義勇さんです」
くすくすと笑うのが聞こえ、抱きしめる腕に力を込めた。俺の胸と彼女の背中の肌が擦れる。
「…甘い匂いがする」
「そうですか?」
「耳の後ろと、首と」
「あ、」
「…ここから」
「っ…義勇さ、」
潤みの中心に指を差し入れ再び熱をともす。
「ん、ぁ」
「また濡れてきた」
「は、…っく」
「熱くて柔らかい」
「ぎゆ、さ…、ふ」
「ぬるぬるしている」
「ぁ、そんな…、押しつけたら」
「…挿れていいか」
こくこくと頷くのを確認して割れ目に擦りつけていた剛直を、片脚を持ち上げて押し込む。
「あ…ッ!」
びくん、と背筋がしなり一際高い声が上がった。名残もあって根本まで難なく飲み込まれたが、先刻とは反応が違うのに気づく。
「これが好きなのか」
「ん、何だか、いつもと…違うところに、ぁ、当たって」
「ここか」
「や…ぁ!」
「っ…すごく、うねっている」
「あ、は、ぁっ、あッ」
「たくさん、当たる」「擦れて」「好きだ」「熱い」「気持ちいい」「いい匂いがする」「っ…締めつけが」「愛しい」「かわいい」
気がつくと外が白み始めていた。溢れ出る言葉は彼女の嬌声と混ざり合い、もはや血鬼術のためなのか自分の意思によるものなのかわからなくなっている。
体制を変え、繋がったまま真正面から向き合った。
「好きだ」
「、…私もです、義勇さん」
彼女の切なげで真っ直ぐな瞳と言葉に、胸の奥が苦しくなった。