義勇さんちの住み込みさん

冨岡義勇

過去も現在も未来も気にせずに、ばらばらと書きますので読み手様が混乱しないように…!アップ順ではなく時系列でまとめています。
2020年9月11日、web版としては完結しました。

【R18】コンテンツについてはこちらをお読みください。

目次

序章

両片想い期

両想い期

終章

※暗めです

SS

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全快のあったかプリン

「あら…?」

眉根を寄せると、帰宅した俺の周りを不審そうにぐるぐると回り始めた。勘付かれたか。

「義勇さん…」

心配そうに見上げてくるが何も聞かないので、俺も何も言わなかった。目を伏せて考え込むと「失礼します」と言い残して奥へ消える。

目立つ傷はほぼ治ったが、流石に消毒液の臭いは消せないか。後を追って台所へ行くと「座っててください」と珍しくぴしりと言われる。大人しく退散した。

暫くして小さな器が運ばれてきた。甘い香りが立ち上る。茶碗蒸しのようなそれは以前甘露寺に勧められた『ぷりん』に見えた。

「具合が悪い時に母が作ってくれたんです」

手に取るとまだ温かく、匙で掬うといかにも柔らかそうにふるふると揺れる。牛乳と卵のまろやかさと砂糖の甘さが口の中にすんなり馴染んだ。なめらかな食感も食べやすい。

「早く良くなりますように」

笑顔のまま瞳だけが一瞬ゆらぐのがわかった。

「…もうほとんど良い」
「本当ですか?」

本当だ。こんなに聡い相手に嘘などつけない。まだ疑いと気遣いをない混ぜにした顔をしながら「…今日のお夕飯は何が食べたいですか?」と俺を試すように尋ねる。

「鮭大根」
「あら、本当に良さそうですね」

どういう意味だ、それは。

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