義勇さんちの住み込みさん

冨岡義勇

過去も現在も未来も気にせずに、ばらばらと書きますので読み手様が混乱しないように…!アップ順ではなく時系列でまとめています。
2020年9月11日、web版としては完結しました。

【R18】コンテンツについてはこちらをお読みください。

目次

序章

両片想い期

両想い期

終章

※暗めです

SS

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冗談の通じない人【R18】

「義勇さん…もしかして怒ってますか」
「…貴女があまりにも見当違いな事を言うから、怒ってる」

久々だからと手加減をするつもりで戯れのように吸っていたら、くすぐったそうに「何だか赤ちゃんみたい」と笑うので注意がそれた。まさかその一言で俺が臍を曲げると思っていなかったのだろう。きょとんと大きな目を更に大きくする。

俺の腕の中でほとんど裸に剥かれているにも関わらず、なおも無垢な丸い瞳に削がれかけた興がぐらりと頭をもたげた。自分が狩る側の人間なのだと、自覚するのはこういう時だ。

「俺は赤ん坊じゃない」

返事を待たずに口をぱかりと開き、目の前にあったまだ芯をもたない胸の先を含んだ。貯めた唾液を舌全体で塗りつける。周りの柔らかい感触を楽しみながらぬるぬると滑らせる中に、ぷっくりとたちまち存在感を増すものに気づいた。咥えながら、ふ、と小さく息を吐く。上顎と下顎に力を入れて吸い上げると、先刻とはまるで違う高い声が頭の上から降ってきた。

「あッ…、吸っちゃだめ…!」

俺の肩に手を当てて押し返そうとするので、むっとした。腰をびくつかせてよがっているくせに、素直じゃない。

その手を払い落とし、かりりと甘く歯を立てる。唇で挟んで軽く引っ張り上げると「ひ、」と一際高く鳴いた。丸く粒になったそこを丹念に舌先で転がし、執拗に舐めしゃぶる。

「あ、んぅッ!ぎゆうさ、待っ…」

敏感な箇所を断続的に這い回るものに翻弄され、耐えきれないように擦り合わせた脚の間から触れてもいないのに、ぬち、と湿った音がするのが耳に入る。下半身がじわりと重くなった。満足して顔を上げる。

「だめって、…言ったのに…」

はあはあと肩で息をするのを見下ろした。少々いじめすぎたか。繰り返し刺激した方だけが赤く熟れて震えている。

顔を近づけると固く瞑して背けるので、できる限り優しく名前を呼んだ。こちらを向いて欲しい、と微かに空気を震わせる程度の声に、返されたのは「だめですってば!」と言いながら首をはっきりと横に振る仕打ちで、珍しく頑なな様子に仄暗さの混じる戯心がむくむくと起き上がってくる。強情な。もはや意地の張り合いになってきた。

耳朶を食みながら、もう一方に指を伸ばした。爪先でゆるゆるとなぞる。応えるかのようにふくりと指の腹を押し返してきた。摘んでくりくりと動かすと「〜〜〜ッ!」と声にならない声を上げ、這い逃げるかのように身を捩り、体を反転させ両手で敷布を掴んだ。筋のはっきりした背中が眼前に晒される。
「ふ、っう…?」
布団と柔らかい肉との間に右手が挟まった。思いがけず俺の手に胸を押しつける格好になり、息をついたのもつかの間、強く爪弾き緩急をつけて愛撫する。先に弄んだ方にも手を押し込み、指を這わせ交互にこねると途端に腰が跳ね、丸い尻が俺の陰茎をこすり上げた。体重をかけて押さえつけ、その熱の主張を示す。

「誰が赤ん坊だって」

問いかけるように囁くが、答えは求めていなかった。うつ伏せにさせたまま、太腿を伝う愛液をすくい濡れそぼったそこに触れる。俺の手を押し潰すかのように脚に力をこめるのがわかった。しかし何の障害にもならない。

差し込んだ先で指に絡みついた潤みを小さな肉芽に分け与える。くちくちと音を立てて撫で始めた刹那に理性が焼き切れ、白い喉から迸る矯声は悲鳴じみていた。

「あァっ…!それ、だめ…ぇッ!あ、」

枕がへしゃげる程にすがりついてでも快楽から逃れようするが、許されない様に憐憫の情が沸く。赤ん坊のようだと侮った筈の俺如きに、好き放題に鳴かされているなんて。

「駄目ばかりだな」

吹き込むと全身をぶるりと震わせ肩越しに一瞬、確かに睨めつけてきた。まだ折れていないのか。懐柔し甲斐があるものだ。

色づいた頬を掴みこちらを向かせて、つややかに赤い唇に自分のそれを寄せる。ぐ、と噛みしめて自ら開こうとしないので、再度胸の先端をすりすりといじり声を上げた隙に暴き立てた。ねじ込み小さな舌を追いかけて吸い、唾液をすする。

「ぎゆ、さ…は、…ひどい…です、」

多少強引に事を運んだ節はあったが、快感ばかりで苦痛を与えたつもりはなかったので「酷い」とは心外だった。埋め込んだ二本の指の出し入れを意図的に遅くし、ぎりぎりで引き留めている事を指しているのか。それなら俺だって然程余裕がある訳ではない。

自分の下で乱れる姿に、肉欲の伴う生々しい思慕と恋慕が募って胸を塞ぎ、息苦しい程だ。会わない間に溜まりに溜まったものを、始める前に解放しておけばよかったと後悔しているところだった。

中と同じ温度の液体は指を伝い手のひらに小さな水溜まりを作っている。それを屹立した自身に塗りつけようと一度指を引き抜いた。溢れた潤みは行き場を無くし、はたはたと布団にこぼれ落ち丸い染みになる。

「も、欲…し…」

かくりと上半身は突っ伏したまま、ある筈もない長い尻尾を振るかのように腰をくゆらせる。こちらを振り返った顔は色にとろけ、ひどく淫らだ。平素の清らかさと慎ましさはどこへやら。剥き出しの下肢を隠そうともせず、欲と涙を滲ませた目元にはほんの少し前まであった反抗心は微塵も認められない。

「…『ひどい』のは『だめ』なんだろう」

意地と分別を捨て去り全身で俺を求める姿に、獣性を圧し殺した台詞は我ながら冷淡に響いた。切っ先をあてがい僅かに含ませながら、ここからの続きは更に激しくなる事を匂わせる。

尚もねだる事を強要されるのか、と言わんばかりに泣き濡れた瞳が大きく開かれ非難がましく向けられた。両脇から掴んだ乳房の先端は固くしこり、赤子に含ませるには随分と卑猥な形になっている。張りつめたそれはいっそ痛々しいほどに赤く腫れていた。

ほろりと零れた塩辛い雫を舐めとる。「ごめんなさい」としきりに謝罪を繰り返す唇を塞いだ。

凛と澄んだ昼の姿は見る影もない。すっかり陥落し雄を煽る形振りに満たされるものがあるなんて、俺はおかしいのかもしれない。薄い腹の奥に隠した蕩けそうな熱さを含め、この媚態を知るのは自分だけなのだ。早く、早くとぎこちなくも急かすように唇に吸いついてくる事に暗い愉悦を覚えた。

「─…許す」
「え、…!あ」

衝動のままに脚の間に熱塊を押し込んだ。俺の形を焦がれたそこはさしたる抵抗もなく受け入れたと思ったが、届いた瞬間に、きゅう、としぼり上げられる。熱い粘膜に包まれる心地よさも相まって限界が近いものには些か刺激が強い。喉から思わず呻きが漏れた。

「いきなり、締めるな」
「っ…そんなこと、言われても…」

無意識だ、と訴えられ頭が熱くなった。どこまで火をつける気なのか。白いくびれを掴んで固定し、ゆっくりと抽送を始める。単調でゆるやかな動きなのに、ぐんと背筋をしならせるのをつぶさに観察した。

四つ足をつき表情の見えない姿勢で、恋人は「ぎゆうさん」と舌足らずに繰り返し俺の名を呼び「あ、あ、」とみだらに腰をひくつかせ乱れに乱れる。まるで奥深くくわえこもうするかのように妖しくうねらせるので、逆らわずに快感が強いと教えこんだ場所を時折強く突いてやると、恥じらうように身悶えし枕に顔を押しつけた。

「あッ!ぁ…も…、くる、し」

そのひたすらに堪え忍んでいる様にくるものがあり、もっと欲しいと叫ぶくらいに攻めたてたいだなんて。本当にどうかしている。

おそらく行き着くところまで止まれないだろう。揺れる膨らみに手を伸ばし掠めた先を指で挟んだ。その刺激でぬかるみが狭まり、きゅうきゅうと締め上げてくる。お互いのいい所をこすり合わせる事で、その甘い喘ぎと獣じみた俺の吐息が同じ長さで重なるのに気づいた。じゅぷじゅぷと響く水音とも混ざり合い、興奮が加速する仕掛けとなる。

穿つ律動を早め、次第にせりあがる射精感に没頭した。縁ぎりぎりまで液体で満たした器が大きく揺さぶられ、とぷりと今にも溢れそうになるのを微かに残った理性が咄嗟に留める。

「っ…出すぞ」

噛みしめた歯の間からまろび出たのは伝達というより宣言だ。熱にうかされた瞳で見上げられ、こくこくと頷き、受けとめる心持ちがある事を示されると、もうたまらなかった。

爆ぜる─どくん!と一度強く脈打ち烈情が弾けとぶ。意識が白んだのは一瞬で、深呼吸をするとすぐに視界に色が戻ってきた。「んんッ」と真下で小さく声を上げうち震える体の中に、押し出されたものを奥へと送り込んでやれば、同時に達して過敏になった膣壁がやわやわとまとわりついてきた。

やがてそれも止む頃には頭も冷え正気に返る。戯れ言に頭にきたからとはいえ、体格差に任せ著しく無体を強いてしまった事に腹の底が落ち着かない気持ちになる。汗に濡れ無防備な項におそるおそる口づけを落とし様子を伺うが、意識をとばしたのか荒い息遣いの他にはぴくりとも反応を返してこなかった。

思い返せば単に情欲を満たすだけではなく、逢瀬の叶わなかった距離を速やかに埋める目的もあった筈だった。その割に繋がるまでにじっくりと長い時間がかかり、体力をこそぎ落としてしまった感は否めない。

目が覚めて真っ先に告げられるのは責句か、情愛か。予断を許されない状況に頭が痛くなってきた。

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