義勇さんちの住み込みさん

冨岡義勇

過去も現在も未来も気にせずに、ばらばらと書きますので読み手様が混乱しないように…!アップ順ではなく時系列でまとめています。
2020年9月11日、web版としては完結しました。

【R18】コンテンツについてはこちらをお読みください。

目次

序章

両片想い期

両想い期

終章

※暗めです

SS

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正月らしく【R18】

リクより「ひめはじめ」です!

近所の神社に詣でたくらいで、正月らしいことは何もしていない。そう言うと「羽根つきか書き初めでもしますか」と本当に道具を探そうとするのを慌てて止める。俺が言いたかったのはそういうことではない。

直前まで帰れるかもわからなかったので、彼女は正月料理を作らなかった。曰く三が日に煮炊きをしてはいけないらしいので、ぽつぽつと二人で冷たい作り置きを食べている。勿論、味に申し分ないのだが物足りなさは否めなかった。料理が好きな彼女はもっとだろう。家中の障子や畳が綺麗に張り替えられているのに気づいて、一人で年始を迎える準備をしたのかと申し訳が立たない。愛想のない俺の代わりに年明けの挨拶に来た客に、卒なく対応するので益々立つ瀬がなかった。

罪滅ぼしのつもりで「街の初売りで食材でも飾りでも好きなものを買う」と言うが「三が日にお金を使うのは良くないそうですよ」と困った顔をされる。それならどう気持ちを治めればいいのか。黙り込む俺は相当に渋い顔をしていたのだろう。宙を見つめる丸い目が焦るかのように忙しなく彷徨っていた。暫くして、ぽんと手をひとつ叩く。

「あの、実は義勇さんにひとつお願いしたいことが…大掃除をしていて、どうしても届かなかった場所があるんです」

正月らしくない。そのうえ三が日は掃除も良くないとされているのでは。言うのは簡単だがあまりに嬉しそうな顔をするので指摘するのは野暮に思えて黙っていた。

***

鍛錬場の額縁は随分と高く掛けられていて、俺が背伸びをしても一番上には届かなかった。屋敷を買い取った時からあった物で、前の家主は見上げるような大男だったのだろうかと二人で首を傾げる。

「もう一度私にやらせてください」

謎の使命感に駆られた彼女は腕まくりをし、雑巾を手に取ると、躊躇なく着物の裾をはだけさせ真っ白な二本の脚を露わにした。急かされるがままに、両肩に跨がらせ担ぎ上げると「届きました」と弾んだ声が降ってくる。
支える手のひらに吸いつくような、すべすべとした太腿が顔のすぐ横にあり、首筋や後頭部にも柔らかいものが当たる。何の我慢大会だ、と独りごちたが聞こえなかったようだ。数週間抑えつけられていた獣が皮膚の下でざわりと蠢くのを感じた。そんな事は露程も知らず、ひと通り拭き終わると上機嫌で床に降り立つ。

「ありがとうございます。助かりました」

満足そうに笑うが日に焼けていない脚は今だに俺の眼前に晒されたままだ。無防備な様子に堪らず顔を近づける。内腿を撫でると「義勇さん」と眉尻を下げるが、自分の手が汚れているのに気づいて、お手上げの恰好で後退った。鍛錬場の板壁にその背が、とんと当たる。

「ひめはじめ…という言葉を知っているか」

壁と俺の体に挟まれて逃げられずに、あわあわとするのを追い討ちをかけるつもりで囁く。顔を真っ赤にして首を振るが、涙目で見上げられて意図したところは伝わったと判断した。

***

掃除をしていただけなのに、どうしてこんな事に。昨日は誘われなかったので疲れているのだろうと、すっかり油断していた。脚の間にある頭を押し返したかったが、手が汚れているので触れることすら出来なかった。そのせいでいつも以上に好き勝手にされてしまう。

腿を持ち上げられながら、深い口づけだけで湿り気を帯びた割れ目をなぞるように舌が這うのがわかり、たちまちびりびりと逃れようのない痺れに似た感覚が全身に走る。追い詰められて仰け反ると硬い板壁が後頭部と背中に当たった。膝を折って座り込みたかったがそれも許してくれない。

表の庭に面した鍛錬場なので勝手知ったる誰かがひょいと戸を開けるかもしれなかった。ましてや正月なので来客は平時よりも多い。

唇を噛んで耐えていると「力を抜け」と声がかけられ、長い指が中を押し広げるように入ってくるのがわかった。男性らしく骨張ったあの指が私に触れているのだと思うと、きゅううと奥が切なくなる。溢れたものが内腿を伝う気配がするが丁寧に舐めとられ、ついでに肌を吸われる感覚があった。

このまま手放しに身を委ねてしまいたい本能と、義勇さん以外の人にあられもない声や醜態を晒すのかと冷えた理性とがせめぎ合い、羞恥と混乱でぐるぐると視界がまわる。迷う私を見越したように、く、と中で指が軽く曲げられた途端に、甘くも重い刺激が腰を打った。そこを擦られる度に、びくびくと体が跳ねる。一気に昇りつめる事に強く頭を振り、必死に薄れかけている理性にしがみついた。

「我慢するな」
「──っは、あぁ、っ…!」

私の些細な抵抗を感じとったのか二本の指に容赦なく、深く強く掻きまわされる。内壁が収縮し、ぎゅうぎゅうと締まった。逆らうように最奥を押し込まれ、ふわりと意識が浮き上がる。高い天井に達した瞬間、私の甘い吐息混じりの声が広い室内に木霊した。

「いい子だ」

襲い来る脱力感に今度こそ膝に力が入らなくなり壁伝いに体が下がる。義勇さんはその指に纏わりつく潤みを見せつけるかのように、ぺろりと赤い舌で舐めとった。私の着物の帯を解き、寒くないようにと先刻義勇さんに着せた半纏が床に放られる。絶頂を受け入れた事で理性はぐずぐずに溶けていて、されるがままにその上に寝かされた。

「あ、…っ」

はだけた着物の隙間から分厚い手のひらが差し入れられる。まろび出た声は鼻にかかり丸く、達したばかりの体はどこを触られても敏感で、ふいに忍び込む冷気にすら腰が浮いた。

脚の間に義勇さんの体が割入り、確かめるように指の先で再びそこを撫でられる。くちゅ、と先刻と変わらない豊潤な水音が耳に届き、埃で汚れていない手の甲で自分の顔を隠した。

「…いいか」

短く問われて隙間から見上げると欲に浮かされた視線とぶつかる。私の脚を開く手が先刻よりも、ずっと熱いように感じて驚いた。

昂ぶりに応えようと頷くのと、充てがわれたものが入り込んでくるのはどちらが先だったか。質量の大きなそれに、ぬるりと難なく最奥まで満たされて、思わず反り返ると上下逆になった視界に庭が見えた。換気のために少し戸を開けていたのを思い出すが、最早声を抑える事ができない程に揺すられ、深く繰り返し突かれる。

「、はっ、ぎゆ、義勇さっ」

快感を逃がそうと何かにしがみつく事も掴む事もできずに、黒くなった手を爪が食い込むほどに握りしめる。冷たい床に拳の背がごつごつと当たり、痛みを感じる間もなく背筋をしならせていると、指を解かれて手のひら同士が合わさった。

汚れてしまいます、と言おうとしたが見越したように突き入れられて、意味をなさない甘ったるい声が零れただけになる。同時に思わず力が入り、その手の甲を引っ掻いてしまった。それすらも愛おしそうに目を細め唇を落とすのを見て、いよいよ頭がくらくらしてくる。

「…ま、待っ、ぁ!、ふっ─んぁ、あぁ…っ!」

刺激が大きい所を何度も執拗に擦られる。再び高みに引き上げられる気配に制止を試みるが、聞き入れてもらえず今度は呆気なく達してしまった。

白んだ視界が色を取り戻し、はふはふと酸素を求めて肩で息をする。体の内側を駆け巡る強い快感に震えているのに、義勇さんは少し止まっただけですぐに動き出した。「まだ駄目です」と喚くように訴えるが「無理を言うな」と目を伏せて奥歯を噛む表情にそれ以上何も言えなくなってしまう。

脚を担ぎ上げられ最奥をずんずんと押し上げられて。冬だというのに二人とも汗だくだ。苦しくて少しでも休みたいのに、戦慄くそこが別の生き物のように彼を求めて締めつけるのがわかる。途端、義勇さんが頭上で息を詰め、私の手を握る力を強めた。

「、う」

低い声とともに私の中で彼のそれがどくどくと脈打つのを感じる。ぐぐ、とより密着するかのように体重をかけた後に一気に体を弛緩させた。余計な刺激をしないように微動だにせず息を整えながら静かに見守ると、義勇さんは、ふーっと息を深く吐いて天井を仰ぐ。

「…新年早々すごか」
「か、感想はいいですから」

そうか、と繊細さを欠いた発言を恥じる様子もなく淡々と見下ろしてきた。熱が名残惜しそうに引き抜かれて、握り合わせていた手を離すと案の定お互いが灰色に染まっている。

汗と汚れを洗い流し先刻私が引っ掻いてしまった傷の手当もしたかったが、事後の倦怠感のままにぼんやりと高い天井を見上げた。義勇さんも同じ気持ちなのか、私の横にゆっくりと体を横たえる。

背中から抱き寄せられて一気に冷えた体を温かく包まれた。腕に脚に、お腹に。大きな灰色の手形がうっすらと残されていく。最後に再び手のひらが合わさって、絡まる指同士を見つめた。ずっとこうしていたい、と素直に思う。

三が日の風習に縛られて暇を持て余していたが、寝正月も悪くない。すっかり義勇さんに影響されてしまった、と思わず笑いが漏れると、少し体を起こして不思議そうに顔を覗き込まれた。

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